カテゴリー別アーカイブ: 四柱推命学を知る

命式の見方その5

この章では実践的な見方を解説していきましょう。まず五行に有する意味を列記しましょう。

━━━━━━━━━━━━ 仕事の種類 ━━━━━━━━━━━━ 

木… 人に教える仕事関係

教師、医師、看護婦、易学鑑定士、宗教関係、行政関係、宣伝関係、
薬品関係、繊維、木材関係、運送

火… 創造、発想できる仕事関係

コンピューター関係、設計、法律関係、俳優、美容装飾関係、アナウ
ンサー、客室乗務員、デザイナー、印刷関係、音楽関係

土… 自然にかかわる仕事関係

農業、林業、園芸、牧場、陶器陶芸、不動産関係、倉庫、建築関係

金… 規律のある仕事関係

公務員、警察、自衛隊、経済経理関係、株式証券関係、貴金属関係、
金融関係

水… サービス、自由業的な仕事関係

水商売(料理屋、旅館、クラブ、喫茶店)、接客業、水産漁業、研究
調査、分析関係

━━━━━━━━━━━━ 病気の関係 ━━━━━━━━━━━━

 木… 肝臓、中風、不眠症、神経の病気、頭の病気、ノイローゼ、足の病気

 火… 心臓、眼病、耳、鼻の病気、小腸、舌

 土… 消化器、胃腸、皮膚、手指の病、口腔

 金… 呼吸器、肺臓、咽喉、背柱、骨、歯、筋肉、便秘

 水… 腎臓、血液、血管、泌尿、膀胱、冷え性、下痢症、生殖器

適職はよい五行に該当するものがよく、適さない職業は太過している五行ににります。
次に健康面ですが太過する五行が剋す五行が病気になりやすくなります。また、あまりにも太過する五行が強すぎると、その五行自体も病気にかかる対象になるのです。


推命相剋




















 

上記の相剋図ではどのようになるでしょう。太過している五行は木です。バランスをよくするよい五行は 金、火 です。適職は金と火の職業、不向きな職業は木となります。間接的によくない職業は水となりますがでダメだと決め付けるほどではありません。土はまずまずよい職業となります。
気をつけたい病気の種類は偏った木に剋される土の病気です。そして木も太過しすぎていますので木の病気にも注意が必要なのです。


さて、頭を切り替えましょう。日干は自分自身を表わすことはすでに学んできました。そして毎年、毎月、毎日、毎時に干支が更新していくこともお判りいただけたでしょう。それに伴い宿命星(通変星とも呼ぶ)、補助星も変わってきます。それでは宿命星、補助星にはどのような意味が含まれているのか解説いたします。



宿命星相剋
比肩(ひけん) ………… 自由と独立の星(日干と
同性同じ五行)
自分自身、兄弟、独立旺盛、協和と孤独

劫財(ごうざい) ………… 闘争と破滅の星(日干と異性で同じ五行)
財の強敵、姉妹、自己本位、妻との不和

食神(しょくしん) …… 包容力とロマンチストの星(日干と同性で日干から生じるもの)
子供の星【女児】((女命)、健康、衣食住

傷官(しょうかん) …… 型破りで聡明の星(日干と異性で日干から生じるもの)
創意創作、子供の星【男児】(女命)、学芸、技術、失権、失職、離別、祖父の親

         宿命星の相生・相剋の関係             
       

偏財(へんざい) ……… 奉仕、投資の星(日干と同性で日干に剋されるもの)
女性(男命)、内縁の妻(男命)、父、養子、流通するお金

正財(せいざい) ……… 繁栄、資産の星(日干と異性で日干に剋されるもの)
女性(男命)、妻、、資産、父

偏官(へんかん) ……… 頑固でアウトローの星(日干と同性で日干を剋すもの)
男性(女命)、情夫(女命)、子供【男児】((男命)、権利、職業、圧迫

正官(せいかん) ……… 権威と名誉の星(日干と異性で日干を剋すもの)
男性(女命)、正夫(女命)、子供【女児】(男命)、名誉、地位

偏印(へんいん) ……… 変人、奇人の星(日干と同性で日干を生じるもの)
義母、姑、ムラ気、躁鬱

印綬(いんじゅ) ……… 知恵と学問の星(日干と異性で日干を生じるもの)
実母、援助、愛情

四柱推命の解読書に比肩は自分自身なので吉星でも凶星でもない中星であり以下

     吉星                  凶星       
食神、偏財、正財、正官        劫財、傷官、偏官、偏印

吉星、凶星の二つのグループに分けて説明している本をよくみかけます。大抵はその続きにある条件になれば吉星が凶星に、凶星が吉星になるといった解説をしています。この辺からスッキリと理解できず、先に進めなかったという方が多くいらっしゃいました。一般に吉星、凶星と分かれますが、あくまで参考程度に頭に入れ、個々の命式の五行のバランスで宿命星の吉凶が変わってくると解釈して下さい。


推命宿命相剋
上記の相剋のバランスなら運勢鑑定表「フォーチュン」では宿命星の吉凶は次のように解答しています。

推命解説その3


















                       

     

                               







個々の命式によって宿命星の吉凶が変わるというところまでご理解いただいたでしょうか。

補助星は十二支から導き出されるもので、日干五行の季節における吉凶をみるものです。例えば日干が丙(五行火)であるとすれば、偏った五行が火の人であれば夏の季節になると、ますます火の力が強くなり過ぎて五行のバランスを崩しますから良くなく、力が弱まる冬の季節が良いことになります。日干が弱い火であれば逆の考え方になります。暑いときは冷房、寒いときは暖房をかけるのと同じと言えるでしょう。宿命星が7、補助星が3ぐらいの割合で総合鑑定したものが、その年、月、日の運勢となります。
時間は朝、昼を分けるとき、午(うま)の字を使い午前、午後に分けていますね、午は午前11時から午後1時までのことをあらわしますから、朝と昼の分かれ目です。午(うま)の前、午(うま)の後ということで、午前、午後となっているのです。このように日頃なにげなく耳にすることや使っている言葉に推命の論理が入っているのです。
次章では実践的鑑定に必要なものをとりあげて解説しましょう。

命式の見方その4

干支には五行があり、個々の命式の五行の個数とおもみによってよい五行を探す、大運の作成の仕方、また干の組み合わせ、支の組み合わせで新たに五行が生れるなどを学んでまいりました。この章では命式中や行運(鑑定年度)にでてくる暗示について説明いたしましょう。

干合(しごう)

支合十二支のうち二つの支が手をつなぎあうことをいいます。命式の年支は先祖、親、上司、月支は自分、日支は配偶者、時支は子供とみなしとの円滑、あるいは乱れをみるものです。命式中で年、月、日、時の順に支合していれば順合といい順調にいく意味になり、逆だと逆合といって物事の遅滞を表わします。例えば年支が戌、日支が卯の支合であれば順合ですから配偶者と舅姑の仲がうまくいくとみます。反対に年支が卯、日支が戌であれば逆合になりますから不仲な関係になりやすいとみるのです。行運の支合は吉星が加わっての支合であれば慶び事がある、凶星に支合すれば凶事(病気、災厄等)が起きやすいとみないのです。フォーチュンでは吉星の支合の場合は三つ葉マークがついています。

冲(ちゅう)

冲
十二支が七番目の陽支と陽支、陰支と陰支同士が互いに剋し合うことをいいます。後に説明する 三刑、自刑、害、破等の凶のうちでも最も凶意が強いものです。意味としては破壊、動揺、運命の変化、闘争、衝突、不和、分離の暗示があります。月支にかかる冲が最も凶意が大きいのです。
生年から生日を冲 … 親栄えて配偶者なきか結婚して親と離反する。
生年から生時を冲 … 親栄えて子孫を傷むる。
生年をを冲 … 父祖の運を破る、また目上や勤め先を離れる
生月をを冲 … 母の運を破りまた再々転住する。
生月と生時を冲 … 狂暴忘恩不幸長患いの事生じやすい。
         生日から生時を冲 … 子供との不和が生じる。
         生時から生日を冲 … 叛(そむ)かれる
支合、三合、方合、空亡と重なっていると冲の凶意はなくなります。また神殺星に桃花殺(とうかさつ)があると冲になりません。寅、巳、申、亥の地支が揃えば四長生といって冲でなくなり大変出世をします。

三刑(さんけい)

三刑
十二支のうち三つ、または二つが互いに互いに剋し合うことをいいます。
子 ⇔ 卯 … 三刑の中でも最も凶意が強く、人への礼を失する意味です。女性にとっては
          この刑がもっとも悪く、母子の間に争いが絶えまがないという意味があります。
          (無礼刑ともいう) 
寅 → 巳 → 申 … 冷酷なタイプで、恩を仇で返すような恩知らずの意があります。
               (無恩刑ともいう) 
              丑 → 戌 → 未 … 猪突猛進しやすく、そのため失敗します。特に女にあれば孤独となり、
                            寂しい晩年を送るという意があります。
                            (持勢刑ともいう)
命式中に三刑が二つある場合は凶意はかなり解消されます。

自刑(じけい)

自刑
十二支のうち一つが、自分で自分を刻すことを言います。
自刑のある人は無気力で独立心に乏しく、自力で運を切り開いていこうとする熱意に欠けるという意があります。反面、我が強く人と争うことが多く、自らを追い込んでしまいます。
命式中に支合、三合、方合、空亡があれば刑の凶意は軽くなります。



六害(ろくがい)

害十二支のうちの二つが、互いに分離したり、刻し合うことをいいます。
害とは肉親を剋害する、すなわち肉親が争い不和になる意があります。なかでも日柱の害が最もよくありません、しかし、冲、刑ほど凶意はない覚えて下さい。また空亡、支合、三合していると凶意はさらに軽くなります。





破(は)

破十二支を順番に数えて十番目の支を破とします。
破とは害と同じく冲、刑ほど凶意がなく、あまり重視しなくてもよろしいでしょう。世間で俗に四惑十悪のことで四つ、十違いの男女の相性が悪いとみます。







空亡(くうぼう)

空亡

十干は十進法、十二支は十二進法のサイクルですから干と支がひとまわりすると二つづつずれてきます、このはみ出した十二支が空亡となります。日柱の天干、地支から空亡を導きだして下さい。もし空亡表がなければ 日支-(日干+1)=空亡 の計算法で求めることができます。例えば推命太郎さんの日柱は乙(2).亥(11月)の場合は11(亥)-(2(乙)+1)=8となり、8月すなわち申、そして次月の酉が空亡となるのです。(もし計算結果がマイナスになれば12をプラスすればよい)
空亡とは別名天冲殺と呼ばれ空しく亡ぶという意味があります、精神、肉体のエアーポケットです、空亡の年、月、日、時刻には力が充分発揮できません、ちょっとした油断や不注意から事故を招きやすい時なのです。起業、移転、結婚など新規事はさけべきです、また盗難、忘れ物、交通事故に注意が必要な時なのです。
命式中の空亡については次のようにみます。
年柱空亡 … 親に縁が薄いとか、生れた土地を離れて生活する意。
月柱空亡 … 兄弟の縁が薄く、兄弟や友達の援助が得られない意。
日柱空亡 … 甲戌、乙亥の人は日座空亡といい男女とも配偶者で苦労します。特に女性は夫婦間のトラブルとか結婚運が悪い暗示があります。
時柱空亡 … 子供縁が薄くなる意。
男性の日支と女性の日支が互いに空亡していると、互換空亡といって離婚しやすいようです。逆に同一空亡であれば五行からみる相性度は別として喧嘩していても同じ屋根に住むというぐらい縁は深いとみます。 
命式中に支合、三合、方合、冲が空亡の支となると空亡の作用はなくなります。
空 亡の年、月、日に結婚した人は夫婦間にトラブルが多く離婚しやすいのです。空亡の時に起業したり、移転をしたりすれば不測の災厄いにあいやすくなります。 前もって空亡の時期を知っておき空亡時期にはいっさい新しいことは起こさないようにして、空亡の災厄をと最小限にとどめるようにして下さい。しかし転勤や 商売上やむをえない場合は、よい方位、よい日などを選など最小限の注意、努力が必要です。
大運の空亡は運勢に作用することはありません。
次章ではもう少し実践的な見方、考え方を解説しましょう。

 

 

 

 

命式の見方その3

命式中の天干、地支の各五行の個数とは別に五行を生じる組み合わせがあります。

【干合)】(かんごう)

干合                                               
干合とは、陽干と陰干とが手をつないで、他の五行のひとつになることをいいます。(日干と他柱の干合を重くみます) 人との提携など手をつなぐサインとなります。命式中に干合がありますと男性は外交的で社交性に富む人となりますから会社経営者になったり、世渡りに恵まれる人になるといえるでしょう。女性は元来、家事を切り回すのですが、男性とのセックス的過ちを犯しやすくなります。いずれにしても命式中に干合がありますと人ざわりがよく柔らかい人とみます。干合した五行が良いか悪いかは全体のバランスでみます。干合する干が他柱にも干合している場合妬合(とごう)といって干合のエネルギーが分散され働きが薄いとみなします。

【三合)】(さんごう)

三合

三合とは十二支のうち三つの支が手をつないで、他の五行のひとつになることをいいます。三合した五行が良いか悪いかは干合と同様、全体のバランスでみます。







【方合)】(ほうごう)

方合
方合とは十二支のうち三つの支が手をつないで、他の五行のひとつになることをいいます。四季を五行にあてはめたものです。方合した五行が良いか悪いかは干合、三合と同様、全体のバランスでみます。方合の五行のおもみは干合、三合の倍の威力があると考えて下さい。



命式中にある干合、三合、方合とは別に毎年巡る干支(通変星)によって成立することがあります。もちろん、その五行の良否で運勢の盛衰が変わってきます。

 ある条件になると特殊な命式になります。

【特殊化気】
年干と月干、月干と日干、日干と時干のいずれかが干合し、1つの干と二つの干が妬合しなくて、干合して変化した五行が月支の五行と同じで、しかも変化した五行を刻す五行が天干、地支にもない場合は天干そのものが変化します。これを化気するといいます。

 甲-己 の干合で月支が丑・辰・未・戌で蔵干が戊か己であれば甲は戊に変化する、己は変化しない。

 乙-庚 の干合で月支が戌で蔵干が辛、月支が申か酉で蔵干が庚か辛であれば乙は辛に変化する、庚は変化し
       ない。
 丙-辛 の干合で月支が丑で蔵干が癸、月支が亥か子で蔵干が壬か癸であれば丙は壬に変化し、辛は癸に変化
      する。
 丁ー壬 の干合で月支が辰で蔵干が乙、月支が寅か卯で蔵干が甲か乙であれば丁は乙に変化し、壬は甲に変化
      する。
 戊-癸 の干合で月支が未で蔵干が丁、月支が巳か午で蔵干が丙か丁であれば戊は丙に変化し、癸は丁に変化
      する。

化気
上記の命式は化気する可能性がある命式です。月干己と日干甲が干合しています。月支の未の五行は土、干合して変化した五行も同じ土で、蔵干が己と、甲が戊に変化する化気の条件が揃っています。しかし、生れ時が不明であるため、変化した五行土を刻す五行が天干、地支にもないという条件が完全には満たされていないのです。

時刻干支表   

では生時が何時だったら、この化気の法則に該当するのでしょう。
【該当する時間】      時柱干 支
午前 7時~午前11時まで  戊 辰 
午前11時~午後 1時まで  庚 午
午後 1時~午後 3時まで  辛 未
午後 3時~午後 5時まで  壬 申
午後 5時~午後 7時まで  癸 酉
午後11時~午後12時まで  丙 子

が化気の時間帯にあてはまります。
(1) 時柱 天干が甲だと妬合しますから化気の対象外
午前 0時~午前 1時まで   甲 子
午後 7時~午後 9時まで   甲 戌
(2) 変化した五行土を刻す五行木が時柱の天干、地支にない場合は化気の対象外になります。すなわち天干に甲、乙 地支に寅、卯があれば成立しないのです。
ご理解いただけましたか。このように生れた時間が分らないとまったく違った鑑定結果になりかねない生年月日がるのです。フォーチュン運勢鑑定表では気がつくように示唆していますが、人手による命式の作成では気づかぬまま見落としてしまうことがあるのです。
次回は運勢に影響する暗示について解説いたしましょう。

追加

四柱推命は驚異的な的中率を誇る学問ですが、生まれ時がわかるという条件があってのことです。生まれ時によっては特殊命式になったり、生れ時によっては大きく運勢が変わってしまうのす。どうしても生まれ時が不明の場合は、過去の運勢を聞き、生まれ時を推測したりするのですが、学説的には天性の寝方によって生まれ時を定める方法があることを紹介しておきます。

子刻生まれは  常に上向きに寝る。
丑刻生まれは  下向き或いは下た向加減に横に寝る。
寅刻生まれは  横に寝る。
卯刻生まれは  上向きに寝る。
辰刻生まれは  丑刻し同じ寝方。
巳刻生まれは  横に寝る。
午刻生まれは  上向きに寝る。
未刻生まれは  丑刻し同じ寝方。
申刻生まれは  横に寝る。
酉刻生まれは  上向きに寝る。
戌刻生まれは  丑刻し同じ寝方。
亥刻生まれは  横に寝る。

上述の如く健康体であれば時刻の天性に従ってやすむとされている。しかし、一支の持分は2時間であって40分間ごとに毎に初刻正刻末刻と一刻を区分するも のですから、上記天性のやすみかたは正刻をもって示したので、もし、初刻なればやすみ具合が幾分加味される事があるとされています。

命式の見方その2

命式の見方その1では宿命星の出し方、個数とおもみの考え方を勉強しました。その続きとして補助星について解説していきます。
補助星十二運星といったり補助星とも言われたりしています。言葉通り鑑定する上で補助的なものになります。補助星(十二支運)に「病」とか「死」といった文字がでていると気にする方がいらっしるようですが、補助星は日干がどの季節に旺盛になり、また弱くなるかを人間の成長過程にたとえて名付けられたものです。命式中の補助星に建禄や帝旺があれば日干のおもみが強くなると考えて下さい。いくつもあるからといっておもみをプラスするのではなくひとつだけ採用すればよいでしょう。十二支星早見表であなたの補助星を求めて下さい。もう少し詳しくし知りたい人に説明しますと、例えば甲は陽木で天に向かって直に伸長せんとする樹木で材木として棟木(むなぎ)となるのである、その根はすでに断ち、枝はすでに切ったものであるからにして、これをし死木とみるのです。

                     十 二 支 運 早 見 表

十二運星早見表

死木は剛木にして用材であるゆえに、カンナ等の金具をもって工作を欲する。甲は亥に長生(ちょうせい)する、それは、亥は池、沼、河川等の水(死水)で材木(甲)は死水(亥)に浸しておけば幾十年、幾百年経っても朽(くち)ることがない、非常に堅固となるのである。もし水を離し雨ざらしにするときは枯れ朽ちることが早い、木は火を生じ、木によって生ずる火の母である。火(丙)は木の子にあたり旺盛になるときは衰える、自然の理である。午は火の帝旺である故に、甲より午をみれば十二支運は死となるのです。このようにそれぞれの干の盛衰には意味があるということです。
小難しい解釈を理解するよりも簡単に覚えてもらいましょう。

季節










                              図 7
仮に木をイメージすれば。春は旺盛になり夏には徐々に力が弱まっていく、秋にはまったく力がなくなり、冬は春にむけ、また力をためている。いかがですか。五行土はややイメージしづらいかも知れませんが、夏と季節の間に強くなると覚えるとよいでしょう。

【大運の求め方】
大運は自分自身を車に置き換えると、その車(自分)が走行する道路状況と言えるのです。いくら高級車でも渋滞していたり路面が悪ければスムーズに走行することはできません。変えることのできない宿命(先天運)に対して大運は道路状況を前もって知ることにより効率的なドライブに変えていくことができるのです。
推命太郎











〔立運〕
立運とは大運のはじまる歳のことです。生れた日と月の節入日(変わり目) の間の日数によって求めます。太郎さんのは11月2日生まれで11月の節入り8日より前ですから10月の節入日9日まてさかのぼって日数を数えます。節入日より過ぎている人は生まれ日から次の節入日までの日数を数えて下さい。 その日数を3で割り、その数が大運の立運となります。日数を3で割ったとき、余りが1につき四ヶ月とします。太郎さんは24日でしたから
                 24÷3=8 
8歳0ヶ月が立運となります。 
〔大運の干支の流れ〕
大運の干支の始まりは月柱の干支によって定まります。その流れには順行運と逆行運に分かれます。

〔順行運、逆行運〕
男性か女性か、それぞれの年柱の干によって順行運か逆行運かに決まります。
(1) 男性で年柱の干が陽(甲、丙、戊、庚、壬)であれば … 順行運
(2) 男性で年柱の干が陰(乙、丁、己、辛、癸)であれば … 逆行運
(3) 女性で年柱の干が陽(甲、丙、戊、庚、壬)であれば … 逆行運
(4) 女性で年柱の干が陰(乙、丁、己、辛、癸)であれば … 順行運

大運干支の流れ
太郎さんの年柱の干は乙ですから(2)のケースの逆行運です。
太郎さんの月柱の干支は丙、戌ですから丙の逆行順は乙 戌の逆行順は酉となります。大運の宿命星、補助星は命式の作成の説明で解説したように導き出せばよいのです。しかし、鑑定上での影響はありません。

                       図 8
大運ランクなし














                           
                  
人生には環境に変化をもたらしたり、何か人生のターニングポイントに成りうる事柄が起きる時期があるのです。小さくは立運を最初に10年ごとに巡り、大きな節目は接木運といって四季の変わり目となります。太郎さんは8歳の立運から10年ごとに巡り、大きな節目となるのは28歳、58歳、88歳です。
さて、大運グラフは自分が走行する道路状況ですから、よい五行、偏った五行、適量な五行が、どの季節にどれぐらいのランクにあるのか鑑定しなければなりません。
相生、相剋太郎

偏った五行を弱めバランスよくしてくれるものがよい五行です、よい五行は3つの
人もいれば2つの人、1つしかない人と命式によって異なってきます、あなたのよ
い五行は2つです、最もよい五行順に表示しています
            あなたの良い五行は 木 火 です
太過している水の力を抜き取り力を弱めさす木、また剋しにくる力に対抗しエネル
ギーを消耗さす火が良い作用をするのです、ちなみに金は偏った五行に力を与えま
すから間接的によくない五行と言えます。
という理由からよい五行木が旺盛になる春と火が旺盛になる夏が大運ランクが高いというのは論理的にお解かりいただけると思います。 次にに偏った五行水と間接的によくない五行金が旺盛になる冬と秋のランクはどうでしょう。フォーチュンの鑑定結果は

【なぜ生れ時が必要なのか】

推命太郎大運
偏った五行水が旺盛になる冬でもランクが7以上になっています。水の個数が1、おもみ39%をどのようにみるかなのです。個数は3個以上なら必ずランクは低い、2個の39%ならそこそこ低いと考えて間違いありませんが、1個の39%は特別悪いとはみなさなのです。
推命吉凶
推命太郎さんの吉凶暦の文章にあるように、生れ時がわからなければ詳しい判断ができないのです。四柱推命学を三柱(生年月日)だけで鑑定できないケースと言えるのです。どうしても生れ時によって吉凶が変わる命式があります。昭和30年以降の生れの人は母子手帳に記載されていますから、できるだけお調べになってから鑑定することをお勧めいたします。太郎さんの記憶では午前7時頃ということです。では7時前と7時過ぎではどのように違ってくるのでしょう。
             【朝方、夕方、何時頃では運勢が変ってきます】

推命太郎さんの生まれ時が7時前の場合
太郎7時前命式
太郎大運7時前
推命太郎さんの生まれ時が7時過ぎの場合
太郎命式7時過ぎ
太郎大運7時過ぎ
上記のように生まれ時が7時前と7時過ぎでは運勢がまったく違ったものになります。太郎さんの生れ時が7時前なら自分自身が強く負けず嫌いな性格となりますが、7時過ぎなら自分自身が弱く保守的な性格になるといった正反対の結果になってくるのです。
以上のように命式によっては生れ時が絶対必要とされるもの、また確かな時間が要求されるものがあることは理解していただいたと存じます。

大運は自分のよい五行(用神)が開花する時期であるのか、反対に偏った五行がより強くなる時期かを判断する大局的な運勢表なのです。自分自身を車に置き換えると、大運は走行する道路状況と考えるよいでしょう。生まれてからずっと高いランクにいた人が、道路状況が変わったことをしらず、今まで通りの運転して失敗する人もいます。変えることのできない先天運(宿命)に対して、道路状況を前もって知ることにより、効率的な運転をしていくための道しるべとなりえるのが大運なのです。大運ランクが低くても、どのような意味合いがあるのかを、よく理解して対応していくことが大切なのです。

大運宿命星に関連付けして、ああでもない、こうでもないと解釈しようとする方がおられますが、本道からはずれた見方と言えます。大運の空亡、七刑も無視してよいのです。

次回は運勢に影響する諸々のことを勉強していきましょう。






                

命式の見方その1

前回は命式の作り方まで説明しました。今回は命式の見方を勉強しましょう。 推命太郎
                   図 1
命式右下の各五行の個数の数え方は前回に説明致しました。次におもみについて説明しましょう。おもみは強さを表わしています。例えば太陽といっても夏と冬では威力が違います。自分自身を表わす日干(にっかん)が月令(げつれい)を得ているのかを判断して自分の強さを推し量るのです。
月令点とよい五行表
                                図 5
太郎さんの場合日干乙、月支が戌月ですから図5をみると0.5です。木は秋に枯れ弱いわけですから月令を得ていなく身旺身弱点は低いと考えるのです。
相生、相剋太郎

                                                       図 6
太郎さんの各五行のおもみをフォーチュンで割り出しました。身旺身弱点は自分の五行(木)とそれに力を与える五行(水)を加算した強さと、自分を弱める五行(火、土、金)との比重点なのです。
身旺身弱点がプラスの人は社会で活躍する能力を備えています、福分厚く吉運をバックにすればめざましい発展性をみせる可能性大、人を使う立場になる人が多いのです、しかし身旺過ぎると性格的に横暴な面がでやすく自己中心的になりやすい、また、凶運でも突っ走る傾向が強く 自ら破滅する危険性をはらんでいます、特に身旺が10点以上の人は独断的、独裁的にならぬよう注意しなければなりません。身旺身弱点がマイナスになるほど自力で道を切り開いていく資質に欠け、どうしても他力本願になりやすいのです。発展する場合は周りで派閥争いをしているときに敵をあまりつくらない性状がかわれ抜擢されるといったケースが多いようです。男性は適度に身旺で女性はやや身弱がよいといえるでしょう、しかし、キャリアガールや経営者として男性と肩を並べて仕事をする上では女性の身旺も悪くないと言えます。
太郎さんは月令を得てませんから完全に身弱ですが、力を与える水が少し多いため身旺身弱点が-1.04にとどまっているのです。
太郎さんの日干乙は草花の柔木です。ここで図5の乙の戌月のよい五行を見ると水、金とあり頭に*印がついています。*は陰を意味しています。10月の陰木は陰の水と陰の金をほしがっているのです。しかし草花である柔木に多量の水は必要なく、あまり多いと逆に育たなくなるのです。
急に解釈に戸惑いを感じてしまうところですが、ここをクリアすると非常に楽に四柱推命学の核心に近づいていけるのです。
少し角度を変えて説明いたします。四柱推命学は推命の原型を創った徐子平の名前をとって、別名「子平(しへい)命理学」と呼ばれていますが、子(ね)は水を意味し、水がどのような状態でも平(たいら)になること、すなわちバランス学問であると理解すれば面白いかもしれません。
皆さんも気温によっては服装を替えたり体のために栄養のバランスを考えたりするでしょう。そうです四柱推命は人の運勢のバランスのとり方を教えてくれる学問なのです。運勢のバランスを知ることにより足らないものを補いよりよき方向へ、良い運のときは勢いもって進む、そのような道しるべになってくれるのが推命学なのです。
話をもどしましょう。特上格と言える命式とは各五行とも個数が0でないこと、そして3個以上でないこと、しかも各五行とも重み(%)が20%前後で、命式中に同じ宿命星が3つ以上ない命式です。
特上格の命式の人は衣食住、財、地位、異性、子供等などに恵まれ、努力すれば開花するといった運の強さを持っています。といっても10万人に一人ぐらいの割合であるかなしのものです。特上格の命式は特別としておき上格といえる命式の条件を解説すると各五行とも重みが0%でないことです。これを五気周流といって困難にぶっかっても誰かに助けられる福分厚い命式のことをいいます。
太郎さんの命式も各五行とも重みがありますので上格の命式と言えるのです。
太郎さんの日干は乙ですので自分自身の位置は木からの相生(そうじょう)順になります。
   * 相生(そうじょう)…生れる       * 相剋(そうこく)…やっつける  
木は燃えまた摩擦をして火を生じる    木は土に根をはやし養分を吸収する
火は燃えつき土になる                     火は金を溶かします         
土はかたまり金となる                      土は水の流れを止めます
金は溶けて水(液体)となる              金は木を削り打ち倒します   
水は木を育てます                           水は火を消します 
あなたの日干の五行が土ならば自分自身の位置が土となり相生順に相剋図を描いて下さい。
偏った五行を弱めバランスよくしてくれるのがよい五行(用神ともいう)です、よい五行は3つの人もいれば2つの人、1つしかない人と命式によって異なってきます。太郎さんのよい五行は2つあります。
         太郎さんのよい五行は 木 火 です 
太過している水の力を抜き取り力を弱めさす木、また剋しにくる水の力に対抗してエネルギーを消耗さす火がよい作用をするのです。ちなみに金は偏った五行に力を与えますから間接的によくない五行と言えます。
結局図6のよい五行はあくまで参考にするにとどまり、個々の命式で本当によい五行が何かを導きだすことが大切なのです。 
これらの五行のバランスによって性格、健康、運勢等々が解明されているのです。
次回は補助星及び大運について説明していきましょう。

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